遂に全国で緊急事態宣言の解除が発表されました。コロナ第二波が心配されますが、少しずつ日常を取り戻さなければいけません。
お教室は、レッスンを再開する従来の生徒さんから、この渦中にオンラインレッスンで繋がった新しい生徒さんもこれからいらっしゃるなど、結局のところ以前にもましてさらに賑やかになり、新たな日常を迎えようとしています。
7月末の発表会についてですが、ホールが来月から営業を再開するとのことで、現時点では予定通り開催の方向で準備を進めています。
様々な制限を設けさせて頂く可能性がありますが、生徒さんとお客様の皆様と、再び音楽を共有出来る日を無事に迎えられることを願うばかりです。
さて、今回の話題について、本来個人教室は一種の楽器専門に取り扱ったところが多いですが、私たちは敢えて多種の楽器を複合的に取り扱うお教室として開講しました。
お教室を探していらっしゃる生徒さんからすると、色々な楽器のコースがあってちゃんと教えてもらえるのかしら、と思われてしまうかもしれませんが、それぞれ専門的に学んできた講師が理念を持って指導しています。
その理念はなにかというと、音楽的な視野が狭まらずに、幅広く深く学べる場所にすることです。
私たちが学んだオランダのデンハーグ王立音楽院には、クラシック科はもちろん、古楽器科、ジャズ科、ソノロジー科、声楽科、バレエ科まで複数あり、それぞれ卒業すると世界各地で活躍する立派な生徒さんがたくさんいます。
恐らくその活躍の糧となっている学びのひとつに、ハーグの学生がそれぞれの専門を越えて一緒に作品に取り組むなど、学生達の繋がり方が自由に出来ることにあると思います。
私が参加させていただいたもののなかで印象的だったものを二つご紹介したいと思います。
ひとつはソノロジー科(電子音楽)の個展にて、現代曲の初演に携わったことです。
私自身は古楽器科で学んでいたのですが、この作品では現代フルートで、幾つもの特大スピーカーをバックにして演奏しました。作曲家の操るエレクトロニクスが、私の出す音に反応してスピーカーから様々な音を出すのです。
それはまるで自分の出す音の影が後ろをついてくるようなとてもスリリングな作品で、今思い出しても鳥肌が立つほど楽しいひとときでした!
ふたつめはオペラの上演、マスネのサンドリヨン(シンデレラ)でした。マスネの時代は現代フルートが使われていたのですが、このオペラのなかでは、リュートとフラウト・トラヴェルソとヴィオラダモーレのために書かれたトリオが登場し、トリオが演者同様、舞台上で演奏するという演出でした。
古楽器を学びに行ったはずが、結局たくさんのジャンルに触れることが出来、古楽器に留まらない音楽の多様性を学ぶことが出来ました。またそれを言い換えてみれば、固執した考えに囚われない、音楽の可能性を常に求め続ける精神も養われたように感じます。
フルートを吹けるようになれれば良い、チェロを弾けるようになれれば良い、ということに留まらず、是非音楽の多様性と可能性を感じることが出来るようなお教室を目指したいと思います!
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